ちひろは養父・軍治の危篤の報に、家出してから六年ぶりで故郷の海辺の町に帰郷した。警察官だった軍治は何者かに殺された実の娘ミユキの命日に、ちひろを襲い、裸にすると銃口を押しつけ、のしかかっていった。そして、その銃が暴発し、警察を辞職したのだ。射的屋の光一に「十一歳で殺された娘の代りに十一歳のときこの家に貰われてきた」と話すちひろ。夕暮れの海を、一億円の保険に入って入水自殺した夫の死体を捜すミサと軍治の弟邦夫の姿があった。ちひろと光一の仲は日を追って親密になり、ある日二人は関係を待った。その頃、水死体が上がり、邦夫は狂喜するが、ミサから人違いだと聞いて愕然とする。一方、光一の女だった薫は、ちひろに光一を取られてしまったことを激しく嫉妬し、軍治に会い、ミユキを殺したのは光一であり、軍治がもはや余命幾ばくもないことを告げる。激怒した軍治は、何も知らず見舞いに...
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